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第2回:振り返る

明けましておめでとうございます。平成最後の年がスタートしました。本年4月1日には新しい元号も発表される予定で平成が終わる寂しさと新しい時代への期待感が混在しています。

私は昭和63年に医学部を卒業していますので私が医師として働いてきた時代はまさに平成ということになります。脳神経外科では丁度昭和から平成へ変わる頃に“頭蓋底外科”という新たな分野が出現し、研修医だった私はその道へ進みました。新たな分野の可能性に惹かれたことと先輩がいない(笑)というのが“頭蓋底外科”を専門とした理由だったと思います。何をしてもうまくいかなかった研修医時代でしたので、どこかに活路を求めていたということもあるかもしれません。平成の30年で頭蓋底外科が黎明期、発展期、成熟期を迎えたように私自身も外科解剖を徹底的に勉強した黎明期、今まで手術が難しいとされていた疾患を治療した発展期、そして頭蓋底外科の限界もわきまえて治療するようになった成熟期があったように思います。平成から次の時代に入ろうとしている今、新たな治療として出てきているのが血栓回収療法です。脳血管を閉塞させている血栓(血の塊)を細いカテーテルを用いて血管の中から回収するという新たな治療法です。検査台の上で動かなかった患者さんの手足が動くようになることもあり、この治療法の劇的な効果を実感しています。若い研修医の先生方が本治療法に魅力を感じ研鑽を積んでいる姿は過去の自分とオーバーラップすることもあります。血栓回収療法は現在黎明期です。これから発展期と成熟期を迎えるでしょう。発展期と成熟期にこの治療法が多くの患者さんを救済することを心から願っています。そんなことを考えていると次の時代には寂しさよりも期待感の方が大きいかもしれません。